医療を支えるジェネリック医薬品の供給混乱が社会問題となっています。多くの患者様に必要な医薬品を安定してお届けするために、SPIの原薬・中間体ビジネスの最前線で活躍する社員の姿を紹介します。
SS
管理職 2016年入社
信頼性保証部
薬学研究科 薬学専攻 博士卒
薬剤師に憧れて薬学部へ入学。有機合成化学研究の面白さに取りつかれ、「自分の手で医薬品を開発したい」と思うように。製薬企業で研究職(創薬科学)や新薬の製造販売・承認取得に関わる業務を経験した後、SPIに転職。
AS
一般職 2017年入社
医薬ケミカル第三部 第三グループ
商学部 商学科卒
就職活動を通して、人々の健康に寄与する医薬品業界に興味を持ち、グローバルにビジネス展開し、医薬品業界に貢献できることに魅力を感じてSPIへ入社。医薬品原薬や添加物のデリバリー業務を担当後、現在では医薬品中間体の輸出入に関わる貿易事務を主に担当している。
HS
総合職 2021年入社
医薬ケミカル第二部 第二グループ
新領域創成科学研究科 自然環境学専攻 修士卒
大学・大学院時代の専門分野は、動物形態学だったが、生物学的な知見が活かせる分野として医薬品に興味を持つようになった。医薬品業界を縁の下で支える商社というポジションに魅力を感じてSPIへ。
SESSION 01
グローバルなサプライチェーンを担う、営業担当と貿易担当
SPIでは、営業部と信頼性保証部が一体となった品質管理体制のもと、ジェネリック医薬品に必要な原薬・中間体を供給するビジネスを展開している。営業を担当するHSは、「私が扱っている原薬の中には、患者数が非常に多い生活習慣病の第一選択薬となるような医薬品の製造に使われるものもあります。このような原薬を医薬品メーカーに安定供給できないと、多くの患者様に迷惑をかけてしまうことになります」と自分の仕事の意義を語る。製品をコンスタントに調達するために、HSは常に海外のサプライヤーの動向を注視する。しかし、計画通りに調達するだけでは、原薬の安定供給は実現しない。先々の状況を加味しながら、製品を確実にお客様へと納品することが求められる。
SPIでは、ASのような専門の貿易担当者が、輸出入に伴う書類作成や顧客との納期調整にあたっている。ASの役割は、顧客からのオーダーや輸出国・輸入国の法律に従って、決められた手続きをこなすだけではない。輸出入や関税に関する現地特有の複雑なルールを駆使して、コストの削減やリードタイムの短縮を図りながら、グローバルなサプライチェーンをコントロールする。
SESSION 02
日本の薬事規制に基づく品質を海外でもつくりだすために
SPIは、そのミッションステートメント(組織の存在理由についての声明)の中で「安全で効能の高い製品を安定的に供給します」と掲げている。会社の最重要課題である「安全を守る」という役割を果たすのが、SSが所属する信頼性保証部である。同部では、製品の品質管理・製造管理・監査・薬事対応を担っている。「国(厚生労働大臣)に承認された製法の通りに原薬が製造されているか」「原薬の入荷から出荷まで、GMP*下での管理が行われているか」を担保するとともに、「原薬分析センターでの品質試験による規格適合の確認」を行い、SPIが取り扱っている膨大な製品の安全性を保証する。
しかし、アジアや欧州の海外サプライヤーに、適切な薬事手続き無しでは製造の方法や数量などのほんの些細な変更も許されない日本の厳しい薬機法に従ってもらうのは、容易ではない。時には、海外の製造現場に訪問し、対面での説明・指導を行うこともある。しかし「国は違っても、高品質な医薬品を患者様に安定供給するという理念は一致している」と言うSSは、営業担当者とともに徹底したコミュニケーションに努めて、求められる製造、管理体制の確立を目指す。
* GMPは、Good Manufacturing Practiceの略。医薬品の製造管理、品質管理の基準のこと。
SESSION 03
安定供給の妨げとなる環境変化を乗り越える
医薬品のサプライチェーンは、絶えず環境変化にさらされる。たとえば近年は、国際情勢によりエネルギーコストの上昇が続く。その影響を受けてHSが営業を担当する案件においても、欧州のサプライヤーから安定した調達を継続するために、価格の改定交渉を行わなくてはならなかった。「現地のエネルギー事情を綿密に調査し、情報を整理し、お客様に何をどう伝えるべきかを必死に考えた」というHS。「楽ではなかったが、相手が知りたい情報を伝えれば理解が得られるという経験ができた。また、日頃からお客様とサプライヤー双方に対して継続的にコンタクトを取っている立場だからこそ、どちらにとっても納得ができる調整を行えるという強みがSPIにはあると思う」とポジティブに振り返る。
品質、コスト、納期をマネジメントする他にも、安定供給のために欠かせない営業部の仕事がある。それは、ASが携わる物流現場で日々発生するイレギュラーな事象への対応だ。「先日も“輸送途中で製品の外装・封緘がダメージを受けた”という報告が入りました。そのまま納品できない状態でしたが、信頼性保証部や倉庫会社と連携して、迅速に補修の対応ができたことで、大きな時間のロスなくお客様に受け入れてもらえました」と、ASはリアルな現場の一端を教えてくれた。
SESSION 04
プロフェッショナルたちが想いを一つにし、貢献し続けていく
SPIに課せられた安定供給のミッションに終わりはない。時には、今までになかった感染症に対応するため、特別な動きが要求されることもあるだろう。ただし、一番に守るべきものは、いつの時代も、どの社員にとっても不変である。SPIでは誰しもが、“人々の健康と豊かな生活に貢献する”という使命感を持って、一人ひとりがプロフェッショナルとして自身の業務に取り組んでいる。SSは、断固とした口調で「いかなる場合も、薬機法にあわないことはできない。品質試験をして品質が担保されたものしか出荷しない」と品質への責任感を示す。またASは、「お客様の海外展開が進展して、自分が供給する製品が日本だけでなく世界中の人々の健康に貢献する」と担当案件の可能性に期待を膨らませる。そして「私たちは、患者様と直接触れあうことはありません。しかし、原薬の安定供給を通して、患者様の健康を縁の下で支えているという感覚を持てるこの仕事を誇りに思っています」と胸を張るHS。
高い品質と安定供給への一人ひとりの想いを集めて、SPIは医薬品ビジネスへの貢献を続けていく。