CRO受託試験受託アッセイ
Evercyte社
2011年にオーストリアのウィーンで設立されたBiotechです。ヒトテロメア逆転写酵素(hTERT)遺伝子による不死化技術に強みを持っており、hTERT不死化細胞株の販売、受託アッセイサービス、及び細胞株受託作製サービスを提供しています。また、尿サンプルからiPS細胞を樹立するサービスや、不死化細胞をホストとしたエクソソームの受託製造サービスを行っています。
Evercyte社では不死化細胞株を利用して下記の受託アッセイサービスを提供しております。
同細胞株は、初代培養細胞の持つ生体に近い性質をほぼ維持しており、連続培養が可能です。同社では初代培養細胞で実現できない各種in vitroアッセイサービスを提供しています。
- 老化研究向けサービス
- 細胞毒性試験
- サイトカイン
ターゲティング - 抗線維化
- 血管新生
- 創傷治癒試験
サービスカテゴリーをクリックすると、下部にコンテンツが表示されます。その他のアッセイをご希望の方は、お問い合わせください。
老化研究向けサービス
Senolytic DrugやSenomorphic Drugは、生体にとって有害な老化細胞を体内から除去・阻害することでがんを含めた様々な加齢性疾患の発症を遅延させる治療薬の開発へと発展する可能性が期待されるものです。Evercyte社では、in vitroモデルを使用したスクリーニングを始めとした老化をベースとした創薬研究のサポートを実施します。
*リストにない細胞についてもご相談いただけます。お問い合わせください。
老化モデル
- ・複製老化まで細胞を培養した老化モデル
- ・Doxiolbicin処理した老化誘導モデル (1)
老化表現型の確認
- ・細胞形態の確認 (2)
- ・SA-β Galactosidase アッセイ
- ・老化マーカー(ex: p16, p21) の分析
- ・BrdUの取り込み試験による細胞周期の進行
- ・培養上清中のII6, II8, MCP-1など老化関連分泌表現型(SASP)の変化
- ・miRNAプロファイリング
- ・almarBlueアッセイ
*一部試験は姉妹会社のTAmiRNA社での実施となります
*リストにない試験についてもご相談いただけます
コントロールとして利用可能な細胞
- ・活発な増殖期にある細胞
- ・コンフルエントまで培養した静止細胞
(1) ヒト正常細胞における老化誘導
Doxisolbicin処理した細胞の老化表現型をトランスクリプトーム解析によって確認。
静止細胞(QUI:黒)と比較して、Senescence-associated secretory phenotype(SASP)であるp21の優位な増加(赤)が分析されたすべての細胞種で確認。
(2) 老化誘導した細胞の形態確認
Doxisolbicin処理したヒト肺線維芽細胞(右)は老化細胞に典型的な平坦化された多角形態となる事を確認。早期継代のサブコンフルエントな細胞(左)と比べて、形態に差がみられる。
事例
化合物の老化細胞除去活性試験
静止および老化 ヒト 皮膚線維芽細胞を化合物で処理し、細胞生存率を3日後に測定。
これにより、老化細胞に対する潜在的な老化細胞破壊活性 (青) と、増殖停止(静止)細胞に対する細胞傷害活性 (灰色) を持つ化合物を特定可能です。
細胞毒性試験
薬物誘発毒性および細胞増殖を促進する薬物の機能を評価できることから、in vitroモデルは重要性がますます高まっています。EvercyteではhTERT不死化細胞株を利用し、細胞毒性について化合物を評価するサービスを提供しています。
利用可能な細胞
実施可能なアッセイ
- ・almarBlueアッセイ
- ・MTTアッセイ
- ・LDHアッセイ
- ・FDAアッセイ
- ・ATPアッセイ
- ・Annexin-V / PI アポトーシスアッセイ
事例
内皮細胞に対するcyclosporin A誘発細胞毒性の試験
hTERT不死化臍帯静脈内皮細胞(HUVEC/TERT2)を異なる濃度のCyclosporin Aで処理し、MTTアッセイを用いて細胞生存率を測定。 IC50はCyclosporin Aで処理を開始し72時間インキュベートしたのちに決定します。
詳細はEvercyteのWebサイトをご参照ください
サイトカインターゲティング
変形性関節症や乾癬などのさまざまな疾患を治療するために、炎症誘発性メディエーターを標的とする化合物の探索がますます重要になっています。
Evercyte は、hTERT不死化細胞株を使用して、特定の化合物が炎症誘発性サイトカインの放出を減少させる機能を評価する試験を実施しています。
利用可能な細胞
*リストにない細胞についてもご相談いただけます。お問い合わせください。
実施可能な試験
- ・Western Blotting
- ・ELISA
- ・Luminex
*他にもご希望の測定法がございましたらお問い合わせください。
事例
インターロイキン17A(IL17A) 治療に対する線維芽細胞の応答試験
hTERT不死化ヒト繊維芽細胞(fHDF/TERT166)をIL17Aで処理し、濃度依存的に発現するIL6を測定。
このモデル系により、IL17Aに対する細胞応答を阻害し、IL17Aの炎症誘発活性および組織炎症に対する化合物のスクリーニングが可能となります。
詳細はEvercyteのWebサイトをご参照ください
抗線維化
慢性的な炎症に対する組織の修復は、細胞外マトリックスタンパクの過剰な蓄積から線維症を引き起こし、正常な組織構造と機能を変化させます。
Evercyte社では、線維症に対する新規の治療アプローチ開発を促進するin vitroモデルをご提供するとともに受託試験についても承ります。
利用可能な細胞
皮膚 | ヒト包皮線維芽細胞(fHDF/TERT166) |
肺 | ヒト肺線維芽細胞(LF/TERT309) |
*リストにない細胞についてもご相談いただけます。お問い合わせください。
解析対象
Alpha-smooth musle actin(αSMA)
アッセイのセットアップ
TGFβで不死化細胞を処理し、αSMAの発現を誘導します。
蛍光染色を使用し、TGFβ単独または抗線維性化合物候補と組み合わせて処理した際のα-SMA発現を分析します。
事例
インターロイキン17A(IL17A) 治療に対する線維芽細胞の応答試験
TGF-βによるhTERTヒト皮膚線維芽細胞(fHDF/TERT166)の処理は、αSMA (緑色蛍光、細胞核はDAPIで対比染色)の発現を誘導します(左図)。
間葉系幹細胞の細胞外小胞(EV:エクソソーム)は、TGF-β 処理後に αSMA の発現を大幅に減少させます (右図)。これらのデータは、間葉系幹細胞からのEVが筋線維芽細胞の分化を阻害し、抗線維化活性を発揮する可能性があることを示しています。
詳細はEvercyteのWebサイトをご参照ください
血管新生
血管新生は、腫瘍増殖、乾癬、黄斑変性症などの疾患において重要な役割を果た生理的機能です。また、血管新生は組織再生にも関与しており、この機能を阻害または賦活する薬剤の探索は、ますます重要になっています。Evercyte社では、新生血管試験に用いることが可能なin vitroモデルをご提供するとともに受託試験についても承ります。
利用可能な細胞
血管 | ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC/TERT2) ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC/TERT66) |
*リストにない細胞についてもご相談いただけます。お問い合わせください。
アッセイのセットアップ
HUVEC/TERT2細胞をMatrigel マトリックス上に播種し、細管様構造の形成をモニタリングします。HUVEC/TERT2 細胞はMatrigelにて3D スフェロイドとして増殖させることができます。
これらのスフェロイドを血管内皮増殖因子(VEGF)で処理すると、血管新生の誘導を示すスプラウト(芽)が形成されます。形成されるスプラウトの長さと数を測定し、血管新生促進活性または抗血管形成活性を持つ化合物の同定を行います。
また、HUVEC/TERT2細胞をマルチウェルプレートに播種した後、試験化合物で処理し、細胞増殖を測定することにより、血管新生に関与する化合物のFast Screeningを行います。
事例
臍帯静脈内皮細胞から形成したスフェロイドからのスプラウト形成試験
ヒト臍帯静脈内皮細胞 ( HUVEC/TERT2 ) をハンギングドロップ法で増殖させると、コラーゲン マトリックスに埋め込むことができる3D スフェロイドを形成します。
これらのスフェロイドを血管内皮増殖因子 (VEGF) で処理すると、スプラウトの形成が誘導されます。また、VEGFとシクロスポリン A (CSA) の存在下での共培養は、濃度依存的にスプラウト形成を大幅に減少させます。
詳細はEvercyteのWebサイトをご参照ください
創傷治癒試験
細胞遊走 (Cell migration)は、胚形成、組織再生、創傷治癒における重要な生理学的プロセスですが、腫瘍の発生、転移、炎症などの病理学的プロセスにも関連しています。 細胞遊走能を促進または阻害する物質をスクリーニングするために、スクラッチアッセイが広く使用されています。Evercyte は、物理的なギャップへの細胞の遊走をテストし、特定の化合物の創傷治癒活性を評価するサービスを提供しています。エクソソームの機能評価にも利用可能です。
利用可能な細胞
皮膚 | ヒト包皮線維芽細胞(fHDF/TERT166) ヒト成人皮膚線維芽細胞(HDF/TERT164) |
肺 | ヒト肺線維芽細胞(LF/TERT309) |
*リストにない細胞についてもご相談いただけます。お問い合わせください。
アッセイのセットアップ
線維芽細胞をチャンバースライドに播種し、単層内に物理的なギャップを作成します。続いてギャップへの細胞遊走のプロセスをモニタリングします。ギャップ閉鎖は、細胞遊走と増殖を区別するために、平均自由面積として定量化されます。事例
線維芽細胞増殖促進活性 / スクラッチアッセイ
テロメア化ヒト線維芽細胞 ( fHDF/TERT166 ) をチャンバースライドに播種し、単層内に物理的なギャップを作成した後(day 0)、ギャップへの細胞移動のプロセスをモニタリングします。間葉系幹細胞からの細胞外小胞(EV)を添加すると、細胞間の空き領域が大幅に減少します。
詳細はEvercyteのWebサイトをご参照ください