ヒト全ゲノムシーケンス解析受託
Inocras社の解析受託サービス

包括的がんゲノムプロファイリング
FFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)サンプルからのヒト全ゲノムシーケンス解析(WGS)

MRD(微少残存病変)解析
2ppmレベルの超高感度なMRD解析

希少疾患の原因遺伝子解析
ACMG AMP/ClinGenのガイドラインに基づいた原因遺伝子の解析

Inocras社について

Inocras社は、米国カリフォルニア州サンディエゴに本社をもつ受託解析企業です。

ヒト全ゲノムシーケンスに焦点を当てた、がん専用の「CancerVision」、「MRDVision」および希少疾患専用の「RareVision」を提供しており、CAP/CLIA/ISO認証を取得したラボを通じて、独自の特許取得済みバイオインフォマティクスパイプラインを用いて、製薬企業やバイオテクノロジー企業、研究機関向けの研究サービスを提供しています。

多くの医師免許を取得している科学者、遺伝学者、バイオインフォマティシャンが在籍しており、お客様のご研究をサポートします。

全ゲノム解析とは

標準的なパネル解析では、ゲノムの0.1%未満しか解析できません。Inocrasの全ゲノムシーケンス解析受託サービスは、他のパネルやエクソームシーケンシングテストではカバーされない複雑な変異(構造変異、コピー数変異、非コード領域の変異)を含む、患者のゲノム構成を広範に解析します。

パネル解析

パネル解析

ゲノム全域のカバレッジ

< 0.1%

全エクソーム解析

全エクソーム解析

ゲノム全域のカバレッジ

1–2%

全ゲノムシーケンス解析

全ゲノムシーケンス解析

ゲノム全域のカバレッジ

> 99%

受託サービス項目

CancerVision

括的がんゲノムプロファイリング

特長

  • FFPEサンプルからの全ゲノム解析に対応(特許技術)。
  • 2-in-1解析
    体細胞変異と生殖細胞変異をペアで解析。
  • TE-WGS解析
    Targeted–enhancedwhole–genomesequencing(TE–WGS)解析により、WGSデータと共に、500遺伝子に対して、500Xの深度でのパネル解析。ゲノムワイドな変異を漏れなく解析。
  • 変異ターゲット
    一塩基多型(SNV)、欠失、構造変異(SV)、コピー数変異(CNV)、ノンコーディング領域の変異を解析。
  • 変異シグネチャー解析
    腫瘍遺伝子変異量(TMB)、マイクロサテライト不安定性(MSI)、相同組換え修復欠損(HRD)などゲノムワイドなシグネチャーを解析。
  • 生殖細胞変異レポート
    ACMGのガイドラインに基づきPathogenicな変異をレポート。
  • 約2週間のTAT(turnaroundtime)*。

MRDVision

MRD(微少残存病変)解析

特長

  • 0.0002%(2ppm)レベルの検出限界でのMRD検出。
  • 腫瘍組織由来の変異情報基づいた、Tumor–informed MRDアッセイ。
  • CancerVisionとセットで解析することで、幅広い変異情報を入手可能。
  • Ultima GenomicsのppmSeq™技術により、一塩基多型(SNV)の検出を、高感度かつ低いバックグランドエラー率で検出。

RareVision

希少疾患の原因遺伝子解析

特長

  • エキスパートによる解析結果の解釈サポート。
  • ACMG AMP/ClinGenのガイドラインに基づいた原因遺伝子の解析。
  • 解析レポート付き。
  • 約2週間で、データを返却*。

* Inocras社にサンプル到着後の日数

各受託項目で得られる結果

MRDVisionは、CancerVisionも平行して実施します。RNA-seqやシングルセル解析なども可能です。お問合せください。

論文リスト

世界的な学術雑誌に75以上の論文が掲載されており、その中にはNatureに5本、Scienceに2本、Cellに2本の論文が含まれています。
論文の例はこちら

CancerVision™

FFPE検体対応のWGS

FFPE検体は、ホルマリン固定によるDNAのダメージが蓄積されており、全ゲノムシーケンス解析に使える検体は、一般的に凍結保存されたものに限られます。Inocras社はバイオインフォマティクス解析に強みを持ち、凍結検体とFFPE検体のシーケンス結果を比較して機械学習させ、FFPE検体で生じるノイズを差し引いて解析することができる特許技術**を開発しました。これにより、FFPE検体由来の全ゲノムシーケンス可能にします。

新鮮凍結組織

FFPE検体(補正前)

FFPE検体(補正後)

図1.機械学習によるフィルターを用いたFFPE由来のWGSデータの補正
Inocras社は、FFPEからのDNA損傷を補正するための機械学習に基づく「デジタル」ソリューションを開発し、変異識別の正確性を99.8%に向上

** IP#: KR 10-2629555, US 18/524,758, EP 23218970.4

最短2週間のTAT

サンプル抽出からデータ解析や解釈まで、トータルワークフローでの全ゲノムシーケンス受託に対応します。検体がアメリカにあるInocras社のラボに届いてから、約14日間でレポートを納品します。体細胞変異と生殖細胞変異をペアで解析することで、生殖細胞変異のノイズを減らし、正確なTMB解析やMSI解析が可能です。全血などの生殖細胞変異解析用のサンプルが無い場合には、FFPEにおける正常部位をマクロダイセクションで採取して代替することもできます。

レポート例: CancerVisionのレポートの例はこちら

TE - WGS解析

Targeted – enhanced whole – genome sequencing (TE–WGS)解析により、WGS解析とパネル解析(500以上の遺伝子に対して、500Xの深度)を同時に実施することで、ゲノムワイドなデータにくわえて、ホットスポット領域における高感度な解析にも対応します。

MRDVision™

腫瘍組織由来の全ゲノムシーケンスデータに基づくTumor-informedベースのMRD解析システムです。血中循環腫瘍DNA(ctDNA)から最小残存病変(MRD)を検出するよう設計されています。その検出限界は2ppmです。

従来のMRD手法が各患者ごとに限られた数の遺伝子パネルを作成するのに依存しているのとは異なり、MRDVisionは全ゲノムベースのアプローチにより、すべての検査でゲノム全体を対象とした遺伝マーカーを特定および追跡します。これにより、変異や再発を見逃す可能性が低くなります。

全ゲノムシーケンスのデータによるベースライン設定

CancerVisionを実施、患者さん自身の組織由来の変異情報を取得

ctDNAモニタリング

組織由来変異(SNV)情報をリキッドバイオプシーでモニタリング

さまざまな腫瘍遺伝子変異量(TMB: Tumor Mutation Burden)において、超高感度なMRD検出を実現

Ultima GenomicsのpmSeq技術により、全ゲノムシーケンスデータに基づき、患者さんごとの一塩基多型(SNV)の総量であるTMBを、高感度かつ低いバックグランドで検出

図2.さまざまな腫瘍遺伝子変異量(TMB: Tumor Mutation Burden)において、超高感度なMRD検出を実現

3つの細胞株におけるLOD95(95%信頼限界)結果:

  • NCI-H2126からの2ppm … 169,079の体細胞変異のうち117,676のSNV
  • HCC1395からの5ppm … 67,191の体細胞変異のうち38,829のSNV
  • HCC2218からの15ppm … 51,350の体細胞変異のうち23,494のSNV

お問い合わせ

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